はじめに
小学校入学はまだ先のことと思っていませんか?実は年中さんの時期から学童保育について調べ始めることで、子どもに合った環境を見つけやすくなります。学童保育は単なる「預かり場所」ではなく、子どもの成長にとって重要な「生活の場」です。この記事では、年中さんのお子さんを持つ保護者の方に向けて、学童保育の種類や見学のポイント、選び方について詳しくご紹介します。
学童保育とは何か?
学童保育は、小学生の放課後や長期休暇中に保護者に代わって子どもを預かり、適切な遊びや生活の場を提供するサービスです。「放課後児童クラブ」「学童保育所」とも呼ばれています。
学童保育が果たす役割は、保護者の仕事・子育ての両立を支援しつつ、成長期の子どもに生活の場を提供することです。家庭に代わる生活の場として、年間で278日、1,650時間も利用されます。
学童保育の種類
学童保育は大きく分けて以下の3種類があります:
1. 公立学童保育
- 公設公営:自治体が運営
- 公設民営:自治体が設立し、運営をNPOや民間企業に委託
- 学童保育全体の約70%を占める
- 特徴:費用が安い、学校内にあることが多く移動が不要
2. 民間学童保育
- 民間企業やNPO法人が運営
- 特徴:特色あるプログラム(英語、プログラミング、スポーツなど)、開所時間が長い傾向
3. 放課後子ども教室
- 文部科学省が推進する事業
- 特徴:親の就労に関係なく利用可能、費用が安い(保険料のみの場合も)
学童保育を探し始める時期
年中さんからリサーチ開始がおすすめ
学童保育を探し始めるのは、年中(4歳児クラス)頃からがおすすめです。公立学童と民間学童両方の情報を集め始め、それぞれの募集開始時期、募集終了時期を把握しておきましょう。
公立学童の申し込み時期は、一般的に前年の11月中旬頃から翌年1月初旬までです。ただし、各自治体や各年度によって申し込み時期や必要な書類は違うので注意が必要です。
民間学童の場合は、申し込みが早い方が有利になることもあり、年中(4歳児クラス)頃から受け付けていることもあります。中には年中向けの予約枠がすでに埋まっている施設もあるため、早めの情報収集が大切です。
学童見学のポイント
1. 子どもの生活環境をチェック
学童が生活の場として機能するためには、以下の3つの要素が必要です:
- 継続して利用できる子どもの生活環境
- 専用の施設(部屋)
- 専任の指導員
見学の際は、子どもたちがリラックスして過ごせる空間があるか、安全面への配慮はどうかをチェックしましょう。
2. 日々のスケジュールを確認
学童によって日々のスケジュールは大きく異なります。
- 宿題の時間が設けられているか
- 自由時間はどれくらいあるか
- 特別なプログラム(英語、工作、スポーツなど)はあるか
- おやつの時間はあるか
子どもが疲れすぎないよう、スケジュールにゆとりがあるかも重要なポイントです。
3. 指導員の対応をみる
5歳頃の子どもたちは、大人の行動をよく見ています。指導員が子どもたちの「やりたい」に耳を傾け、挑戦できる環境を整えているかどうかも大切です。
- 子どもの意思や考えに耳を傾けているか
- 子どもが自分で考える機会を大切にしているか
- 子ども同士のトラブルにどう対応しているか
4. 子どもとの相性を考える
学童での友達関係も重要な要素です。気の合う友達ができるかどうかが、子どもが楽しく通えるかどうかに大きく影響します。可能であれば、体験入学などで子どもの反応を見ることも検討しましょう。
公立と民間、どちらを選ぶ?
公立学童のメリット
- 費用が安い
- 学校内にあることが多く、移動の心配がない
- 同じ学校の友達と一緒に過ごせる
民間学童のメリット
- 特色あるプログラム(英語、プログラミング、スポーツなど)
- 開所時間が長い傾向
- 少人数制で目が行き届きやすい
- 習い事が組み込まれていることも
実際には、公立と民間、複数の学童に登録することも可能です。子どもの反応を見ながら、小学校入学後に徐々に決めていくという選択肢もあります。
小学校入学に向けて意識したいこと
5歳児は小学校入学を控え、自ら考えて行動する力をつけていく必要があります。学童選びの際も、小学校での生活を意識しておくことが大切です。
時間を意識した行動
小学校に上がれば、決まった時間に決められたことをこなさなくてはならなくなります。学童でも時間を意識した活動があるかチェックしましょう。
自分で考える力を育む環境
子どもが「自分で考える」機会を大切にする学童かどうかも重要です。大人が過度に手を出さず、子どもの力を信じる姿勢があるかを見てみましょう。
まとめ
学童保育は単なる「預かり場所」ではなく、子どもの成長にとって重要な「生活の場」です。年中さんの時期から情報収集を始め、実際に見学に行くことで、お子さんに合った環境を見つけることができます。
公立・民間それぞれの特徴を理解し、子どもの性格や家庭の状況に合わせて選ぶことが大切です。最終的には、子どもが楽しく通える場所、自分らしく過ごせる場所を選んであげましょう。
入学前に多様な選択肢を把握して、とりあえずそのときベストだと思う選択をして、子どもの状況によって働き方も含め試行錯誤しながら変えていくことが大切です。選択肢がある分、可能性も広がりますが、どこかでエイヤと決めないと何も始まりません。子どもと一緒に、理想の放課後の過ごし方を見つけていきましょう。